こんにちは。キムです。E70X5の復活をボス縄田さんにお願いしている過程で、色々と考える機会がありました。そこで今回は昔のBMWに焦点を当てて見たいと思います。
「フル装備」で完成してた?
BMWに限ったことではないですが、最近の車と言えば、いろんな箇所がデジタルによって管理されている、いわば巨大なデジタルデバイスの集合体となっています。ちょっと自分でイジってみようものなら、コンピューターから即イエローカードの警告ランプが提示され、やる気を損なわれしまう。そこには求められる知識や道具が数多く必要となっている。深く長く付き合っていくには敷居が高過ぎる気がしてならないのです。
昔のクルマはもっと付き合いやすかった。シンプルで、アナログ的でした。今や死語となってしまいましたが、その昔「フル装備」という言葉がありました。パワステ、エアコン、パワーウィンドウの三種の神器が備わった車を「フル装備車」として崇めた時代があったんですよね。今思えば「フル装備」の誕生で、多くの人が車に求めているものはこれで完成していたんじゃないかなとも思います。
最新テクノロジー満載の車に乗っている中で、そんな「フル装備」時代のBMWのハンドルを握ってみると、やけにニヤケてしまう自分に気づきます。自分もまもなく50代に突入。「終の住処」、もとい「終の愛車」にしたい車はこっちの方だと思い返します。日本では13年規制など、古い車に対しての敬意がなく、時代錯誤なガラクタとして、つまはじきにされている社会情勢ではありますが、アナーキーなオヤジにこそ似合うクルマ。それが正にネオクラシックBMWだ!!世のアナーキーなオヤジたちよ、世間の流れに抗って生きて行こう!
人生を捧げるのに価値ある一台。今ここで「フル装備」時代のネオクラシックBMWを振り返ります。
ネオクラシックBMWの相場やメンテナンスは?
既に2,30年前の車。流通している車の台数も少なく、相場はないに等しいです。車の調子やメンテナンス状況にもよりますが、車両代+メンテナンス代を予算として見ておいた方が良いです。
メンテナンスに関しては、部品調達の状況は、内装などの装飾部品になると入手困難な部品もありますが、走りや性能に関わる部品は、まだまだ供給が行われている状況ですので心配ないです。
E30 325i
専門誌でもネオクラシックカーとして紹介されることが多い丸目4灯のE30。バブル期に「六本木のカローラ」として爆発的に売れたモデルです。左の画像は現役当時一番人気だった専用パネルをボディに架装したMテクのクーペモデル。オススメは6気筒M20型SOHC2.5Lの325iです。320iとなるとやはりパワー不足が否めません。325iの方がわずか500ccの違いですが、トルク感が全く異なります。
前期セダンこそネオクラシックにふさわしい
E30であっても、ネオクラシックという言葉の響きにしっくりとくるのは、前期型のアイアンバンパーのセダンでしょうか。左はクラフトガレージで販売中のアイアンバンパーのセダンです。ライトブルーにオールペン済み。こんな色が前期アイアンバンパーにはよく似合いますね。こちらのE30は170馬力M20エンジンが搭載されています。内装も本革に張り替え済み。ご興味のある方はこちらのページで詳しく紹介していますので、ご覧ください。
ツーリングはライフスタイルに合わせて
クーペやセダンの他には、カブリオレもありますが、ワゴンタイプのツーリングもオススメ。ノーマルボディのツーリングをサラリと乗るのもかっこいいし、若干ローダウンしたツーリングなんかも壮年サーファーなんかが乗ってると激シブ過ぎですね。
クラフトガレージ的なオススメは…
予算は150万は見ておいた方が安心です。さらに予算が許すようであれば、クラフトガレージ的にオススメするのは、E36 318isのエンジンを換装した318is仕様。E30の軽量ボディにDOHC4気筒エンジンの組み合わせが相まって最高に軽快で痛快なドライビングカーに仕上がりますよ。
E36 318is
モータースポーツへのエントリーカーとしてオススメするBMW歴代No.1のモデルがこのE36 318isです。4気筒にマニュアル仕様。走りに余計なものが付いていない。E36からリアがセミトレからセントラルアームへと変わり、コーナーリングが楽しい!こんなモデルは他にはありません。唯一無二の孤高のBMWと言えるモデル。それがこのE36 318isです。
令和となった現在においてもサーキットを走って見たい、という方にはこの318isをオススメします。ネオクラシックと呼ぶにはまだまだ早い気がしていたのですが、アイエス初期型ともなると25年落ちとなります。その昔、アイエスを大人向けのハチロクと紹介していた時期もありましたが、AE86は今やすっかり高値の存在となってしまいました。一方こちらのアイエスはまだまだ安く入手が可能!車は走らせてナンボ!という方には、このアイエスを絶対的にオススメです。
予算は100万円でいけます。
E36 M3
私キムがクラフトガレージにお世話になる以前の学生だった頃の話。熱烈に恋い焦がれたBMWが一台ありました。それがこのE36 M3。平成初期。R32GT-R復活を狼煙に、スープラ、シルビア、NSX、180SX、ユーノスロードスター、RX-7 などなど、280馬力ブーム、ライトウェイトスポーツカーブームと、日本が空前のスポーツカーブームで賑わってたいた頃。鮮烈に現れた舶来のイエローボディのクーペに、当時大学生だった自分は強烈に魅了されたのです。
この「すべて」本を通して、妄想は増殖されました。S50B30型 3.0L直列6気筒。シルキーシックスという響きに興奮を覚えました。E30M3と異なり、ボディに大きな架装はなく、下位グレードのアイエスとは見分けがつかない。そんな、たたずまい、ジェントル感が渋かった。
残念ながら、これまでE36M3に乗ったことはありません。クラフトガレージでE30M3に出会いS14エンジンの虜になった身としては、正直なところ敢えて試乗していないというのが正しいところかもしれません。昔の恋心に蓋をしたみたいな?ボス縄田からは何度となく「36M3はいいよ。」「36M3速いよ。」と聞かされ続けて早いもので20年となりました。
予算は200万。前期でも後期でもどちらでも良いかと思います。SMG車は避けた方が賢明です。
E30 M3
今やMモデルの「レジェンド」的存在となった感のあるE30 M3。
E30M3以前にもMモデルは存在します。ただこのE30M3が、Mモデルを確固たる地位にまで高めた張本人であるといっても過言ではないでしょう。
DTMを背景とするレーシングモデルの申し子として誕生した背景は他のMモデルにはありません。レースに勝つ為に生まれたというサラブレッドがE30M3なのです。そうしたストーリーや時代背景があり、今や高値のネオヒストリック車の筆頭ともなっています。
ホモロゲという活字もこの時代の紙面ではよく見かけました。レース出場の為の規定クリア、ホモロゲーションクリアの為に生産された限定車は、さらに輪をかけて高額で取引されています。
E30M3の魅力は、ブリスターフェンダーを纏ったその外観を始め、エンジン、駆動系、足回り、その全てに及びます。レースで勝つ為に生まれた直列4気筒S14エンジン。スパルタンとも言えるシンプルなコクピット。その全てに機能美とも言える美しさが感じられます。
E30M3を購入するには
E30M3の購入にあたっては予算は300万円では厳しいでしょうね。それくらい高額な車になっています。相場という相場はありませんが、高ければ程度がいいとも言い切れません。クラフトガレージの既存のお客様に限っては、本気で購入をお考えの方は、ご相談に応じます。E30M3は一生涯付き合うに相応しい、BMWの枠を超えたスポーツカー史上に名を残す名車であることに間違いはありません。